休日の事件発生。
あわてて現場に集まった記者達は、ちょっと落ち着いたころになるとお互い「何してるとこだった?」という話をはじめる。今、私がいる記者クラブは妻帯者が多いので「せっかく家族と過ごしてたのにさー」とか「奥さんが不機嫌になって…」とかいう話題がちらほら。そして一番悲惨な状態だった記者が、なんとなく「MVP」のような扱いを受けるのだ。
まあ、いわゆる傷のなめあい。
今日のMVPは某放送局のK記者だった。
「かみさんと子どもと自然公園でボート乗ってるところで会社から電話かかってきたんだよ」
「ボートって?もしかして…」他社の記者たちの注目が集まる。
「うん。スワンボート」
「池のどのへん?」
「それが池の真ん中あたりまでいったとこだったから、船着き場までめちゃめちゃ遠くて…
必死に漕いで汗だくになったよ。子どもは泣くし…」
事件発生の一報を受け、現場に向かうため必死にスワンボートを漕いだK記者…
頑張ったんだね。…その姿を思い浮かべると笑っちゃうけど。