土曜日から一週間の夏休み。運が良いことに、今週は懸案だった事件がバタバタと片づいて、どうやら落ち着いてゆっくり休みに突入できそうな雰囲気が漂い始めた。この仕事をしていて、夏休みをちゃんと取れるというのはかなりうれしいことだ。過去には成田空港の搭乗口から呼び戻されたことすらあったっけ…
休みの前には、ちょっと感傷的な気分になる。
この半年、数ヶ月間を振り返ってみると、本当に色々なことがあったなあと改めてため息が出る。仕事も私生活も、住む場所も周りの人々の顔ぶれも…転職こそしなかったけども、生活環境そのものが大きく動いた。これが20代と30代の分かれ目ってことなのか。こういう時期にはやっぱり大きな一区切りがあるのかな。まるで神様が「お前はまだまだ子供だから、こういうことを経験したり、こんな人と出会ったりしながら、あと半歩くらいは大人になりな」って言っているように感じる。
僕は来週、30歳になる。
記念すべき誕生日は、石垣島で迎えることになりそうだ。
東京に住む親友のKと、テントを担いで3泊4日のキャンプ旅行。
彼とはもう10年来の付き合い。性格も外見も今の仕事の内容も、ほとんど重なる部分はないのに不思議と彼とは昔からウマが合う。そして実はこの数ヶ月間、彼と僕はちょっと怖いくらいのシンクロ具合で、似たような激動の時間を過ごしていた。「聞いてくれ、俺、こんなことがあって…」と電話すれば、「えっ、実は俺もな…」という調子。この間、「おいおい、これって、なんなんやろな」と電話で話しているうち、一緒にまたテントを担いで森や海を見に行こうかということになった。
「また」と言ったのは、これが二回目だから。学生生活の終わりのころ、やっぱり僕は彼とテントを担いで、屋久島と沖縄本島に約一週間の旅行に出かけたのだ。途中で台風に直撃されて遭難しかけ、危ういところで近くの教会の牧師さんに助けてもらったり、大自然の中で開放的な気分になって大声で叫びまくっていたら、うっかり若い女性二人組の旅行客に見つかって白い目でみられたりのドタバタ旅行(白い目っていうより、完全に怯えてたなあれは…)。ほとんどの時間はアホな話ばっかりしていて、真面目な話題はほんの少しだったなあ。でも、思い出せばあのとき僕らはどこかで学生時代の終わりを肌で感じ始めていて、そして何かを吹っ切ろうとしていたように思う。ほどなく始まる社会人としての生活に、興奮と不安を予感しながら。
必ずしもあのときの感情は、今の気持ちと一緒なわけじゃない。ただ、これから自分自身の態勢を改めて、先に進もうとするタイミングですることといえば、また友達同士、二人で暑い南の島を歩き、アホ話をしながら泡盛でも飲んで、海で泳いで温泉につかるのがぴったりな気がする。これからの30代としての時間もまた、僕らにとってちょっと不安で、期待と興奮も散らばるような存在なのだから。
などなど、旅行と誕生日を前に思いは巡るのだが、本音のところは、何か「きっかけ」や「勢い」みたいなものが欲しいのだろうと、自分では思う。うーむ、二人ともあのときよりも少し体力は落ちたけれども、7年分の様々な人生経験を積んで、精神的にはかなりタフになっているからなあ。解放されるエネルギーも相当なものに違いない。短期間とはいえ、またまた波瀾万丈の旅になりそうだ。…我がことながらちょっと怖くもあり…
ともかく、来週火曜日から石垣島(と西表島)に行ってきます!!