a writer's note
2006-08-08T15:06:49+09:00
wanderingdays
記者のひとりごと
Excite Blog
夏休み
http://curiouscat.exblog.jp/4295190/
2006-08-08T15:05:00+09:00
2006-08-08T15:06:49+09:00
2006-08-08T15:05:53+09:00
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身のまわりのこと
とりあえず2泊3日で高松周辺を巡ってきました。
お目当ては、ベネッセの美術館やアートプロジェクトで溢れる島、直島訪問と、高松市にあるイサム・ノグチ庭園美術館。そのうち旅行日記を書くと思うけれど、まずは写真だけアップしておきます。これは高松空港の入り口に置かれているイサム・ノグチ作の巨大なモニュメント。
とにかくすごくいい旅でした。]]>
雨のち夏
http://curiouscat.exblog.jp/4116727/
2006-07-09T20:24:00+09:00
2006-07-09T20:28:29+09:00
2006-07-09T20:24:36+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
古い雑居ビル群の中に迷い込むと、狭い路地では強烈な日差しに照らされた眩しさと深い陰の部分が交互に現れて、夏らしいドラマチックさを感じました。
暑かったけど。
夏はけっこう好きです。]]>
本城直季、small planet
http://curiouscat.exblog.jp/4097191/
2006-07-05T01:58:00+09:00
2006-07-05T02:03:56+09:00
2006-07-05T01:58:50+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
仕事柄、仕方ないことなんだけど、ここ2週間くらい急にバタバタと忙しくなっています。
しかも法律がらみのややこしい、頭が痛くなるような記事を書くのに四苦八苦。はっきり言って、疲れてます。
そこで自分への癒しの意味もこめて、今日は最近、僕が大注目の若手写真家を紹介します。なんとまだ、28か29歳の「本城直季」さんという人。…すごいよ。とってもいいです。
さすがにプロの写真家の作品を無断でブログに掲載するのはいかんだろうから、本城さんの名前を初めて聞く方は、是非グーグルなどで検索して彼の作品を目にしてほしい(簡単にいっぱいヒットします)。きっと彼の写真に触れたら、はっとするような新鮮さを味わえると思う。
被写体はすべて実際の風景なのに、彼のちょっと変わった技法の撮影を通すと、まるでそれがミニチュアセットのような写真に変わる。でも、そのミニチュアの世界は決して無機質ではなくて、どこか温かく柔らかい。生々しさは抜けているのに、生命感は失われない。例えば、愛すべきコビトさんたちの世界をのぞいているかのような、不思議な安心感や親しみを引き起こしてくれるのです。
もともと僕の大学時代の友人に教えてもらい、すっかりファンになってしまいました。
パソコンの壁紙に設定して、仕事の合間にだいぶ心安らいでいます。]]>
ちょっと富豪体験(仮想現実)
http://curiouscat.exblog.jp/4065370/
2006-06-26T00:19:00+09:00
2006-06-27T15:01:34+09:00
2006-06-26T00:19:35+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
ちょっと珍しい会に同席する機会に恵まれた。
大阪、梅田のリッツカールトンの一室で開かれた、スイス時計の最高級ブランドの一つ、「ジラール・ぺルゴ」の品評会。こいつがだいぶ凄かった…
規模からすれば、出席者はたった20人にも満たない小さな小さな集まり。でも、リッツの4階にたどり着いて、「どの部屋なのかな」とふと辺りを見回すだけで、きれいな女性のホテルスタッフが飛んで来て「…もしかして、ジラール・ぺルゴの会にいらっしゃった方ですか?」と話しかけてくる。「ええ」と答えると、「こちらです」とばりばりに緊張して案内するスタッフ。その緊張の意味を、5分後に僕は知ることになった。
会場そのものは、20畳ほどのこじんまりした会議室。だけど、入り口にわざわざ京都の古い長屋のような細い廊下を作ってあって、砂利を敷き詰め飛び石を歩いて部屋に至る。きっちり和服を着た主人のような人が「いらっしゃいませ。Nさんのご紹介ですね」と、深々とおじぎで迎えてくれる。ちなみにこの「Nさん」とは、この会の主催者側のえらい人で、僕とは飲み屋つながり。僕のレア人脈は、ほぼすべて仕事じゃなくて、お酒を通して培われているのだ。
ショーケースの中に並ぶ時計の数々。確かにモノが違うオーラを感じはするが、その水準は僕の想像を遥かに超えていた。「こちらは、なかなか現物をおみせできる機会が少ないので…」とおもむろに出された「オペラ3」というモデルには、「60000000円」という値札が付いていた…。えっ、60万でも600万でも、ないよね…。別に宝石が散りばめてあるわけどもないのに、この値段。そしてこの会場にいる10数人は、僕と僕を連れて来てくれた行きつけのバーのマスター以外、こんな時計を「買うつもり」で足を運んだ人たち(しかも招待状をもらって)。そりゃあ、天下のリッツのスタッフでもびびるわな。実際、隣では1900万円の時計が売れてた…。確かに「世界で20人くらいしかいない熟練職人が1500時間かけて、すべて手作りで仕上げる」なんて説明を聞くと、とんでもなく高い値段も適正価格に思えてくる気もするけれど…。だけど、そうはいっても、なんじゃそりゃ。消費税で車買えるっつーの。
しばらくこんな雰囲気の中に身を置いたら、いつの間にか自分の中の金銭感覚もだいぶ狂ってきて、帰りによったポルシェデザインのショップで見た60万円の時計に「おもちゃみたいに安いなー」と感じてしまった。いかんいかん。
リハビリのため、きっちり梅田の立ち飲み屋で一本100円の串カツをかじってから帰宅しました。]]>
カレー作りの休日
http://curiouscat.exblog.jp/4037583/
2006-06-18T08:29:00+09:00
2006-06-18T08:32:07+09:00
2006-06-18T08:29:21+09:00
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身のまわりのこと
ふと思い立って、本格的にカレーを作ってみました。
鍋で何種類かのホールスパイスを炒めて油に香りを付けるところから始め、頑張ってタマネギも飴色になるまで根気よく炒めます。青とうがらしとすりおろしたニンニク、ショウガも投入。軽く混ぜると、もうその時点で、キッチンは豊かなスパイスの香りでいっぱいになります。
ホールトマトをたっぷり入れて木べらでつぶしながら軽く煮立て、頃合いをみて今度はクミンシードやターメリックなど粉のスパイスを次々に加えると、何だかだいぶ気分が盛り上がってきました。適宜、水を加えてさらに煮詰めると、カレーの基本になる「マサラ」が完成します。ここまでが前半戦。
赤みがかったペースト状の「マサラ」が出来上がった鍋の中。骨付きの鶏肉を入れると、カレー作りは後半戦に突入です。鶏肉はゴロゴロとよくマサラに絡ませながら、表面が白くなるまで中火で炒めます。そして水とココナッツミルクをたっぷり注げば、もう一息。あとは弱火でじっくり煮るだけです。缶ビールを開け、音楽でも聞きながらのんびり出来上がりを待つ。でも鍋はたまにかき混ぜることを忘れずに、あと、ご飯もちゃんと炊いておくこと。
水かさが半分くらいになってきたら味見をして、塩やスパイスで味を整えてとうとう完成。調理開始から3時間はたっていて、すっかりお腹はペコペコです。本当はいったん冷ましてからのほうが味が馴染むというけれど、とても我慢できずにさっそくお皿に盛りつけて、ワサワサと慌ただしく食べ始めます。うん。おいしい。「今度はもうちょっと、辛さを強めても大丈夫だな」とかいろいろと思いを馳せながら、お腹いっぱいいただきました。もちろん、鍋の中には明日の分もきっちり確保。一晩たてばまた、きっとさらに美味しくなったカレーが楽しめるはず。
携帯電話で撮った写真がちょっとピンぼけ気味なのだけが、心残りでした。
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新入社員はKAT-TUNなのか
http://curiouscat.exblog.jp/3989391/
2006-06-05T01:02:00+09:00
2006-06-07T20:30:37+09:00
2006-06-05T01:02:33+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
映画「間宮兄弟」を見ようと入った映画館。上映を待つ喫煙スペースでタバコを吸っていると、隣の3人組の会話が耳に入ってきた。20歳台後半か30代前半とおぼしき女性二人とその後輩の男性。みんな独身らしいのだが、話題はどうやら「結婚と出会いについて」。女性は二人ともちょっと派手目の強気風美人。後輩君は、整った顔立ちだけども気弱な感じもする細身の男性。
先輩女性Aがなにやら雄弁だった。「…でな、34とか35で独身のままでいるイイ人って絶対けっこうおると思う。そうやろ。別に変なことでもなくて、普通になんとなく結婚しないまま来てしまいましたっていう人がたくさんいるはずやわ」
先輩女性Bは半信半疑。「そうかなあ」
「そうやって!」。断言する先輩A。おもむろに後輩男性のほうを振り向き「おるやろ会社にもそんな人ら、たくさん」と迫る。ところが後輩君は、ちょっと悲しそうな顔をしてぽつりと一言。「…会社っていうか、少なくとも僕の部署にはそういう人は一人もいません」「うそ?」「みんな結婚しました」
「そうなん!?」先輩Aは一瞬絶句した。「…え、じゃあ32歳とかは?」
「何急に弱気になって微妙に年齢下げとんねん」。すかさず先輩Bがつっこむ。「だって…」と凹んだ様子の先輩A。よほどダメージを負ったらしく、タバコを持つ手も心なしか力が抜けたようにみえる。この人ホントにけっこう美人なんだけど、大げさな落胆ぶりがあんまりおかしくて、僕はこみあげる笑いをこらえるのに苦労した。
ちょっと可哀想な先輩A。先輩Bが「範囲を広げたらええんちゃう?」と前向きな提案で助け舟を出す。
「範囲って?40歳とかそういう人もってこと?」
「ちゃうわ、24とか5とか」
「えー、年下か…ちょっとなあ」
「年齢にこだわることないやんか」
「30歳代独身イイ男」の確保が厳しいとみた彼女たちは一転。年下層からのリクルートの可能性を模索し始めた。会話は新たなステージへ。
しかし先輩Aの表情は依然として冴えないのだ。
「でもなー、なんか特に今年から急に、新入社員の男の子らがやたら子どもにみえんねん」
「今年から?」
先輩A「うん、子ども…。みんな後ろ髪だけ長いし」
「あー!そうやなあ。スーツは細身で丈が短め」
身を乗り出す先輩B、激しく共感したようだ。
先輩A「靴は先がとんがったデザインのやつ」
先輩B「そういえばみんな同じやな」
先輩A「同じやろ。去年までとはまた全然違うわ」
先輩B「なんでやろ」
先輩A「ようするに、KAT-TUN意識しとんねん」
先輩B「…さすがにKAT-TUNは恋愛対象にならんわな」
先輩A「KAT-TUNはあかん」
先輩B「確かにあり得へんな」
先輩A「…」
先輩B「…」
A・B「……はああ、」。会話は見事に行き詰まり、深いため息をそろえる先輩女性二人。このとき、後輩男性君は明らかに意識的に目をそらしてた。
「えっと、こっちには30代独身男性たくさん余ってますけど…」という言葉が出掛かったけれどもなんとか飲み込む僕。ほどなく係員のお姉さん(この人はまだ悩みなき20代前半っぽかった)が「間宮兄弟、間もなく開場でーす」と声を張り上げた。
「間宮兄弟」の感想は、また後ほど。
…しかし最近の新入社員はホントにKAT-TUNを意識してるのか?
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どこからともなく
http://curiouscat.exblog.jp/3986603/
2006-06-04T12:57:00+09:00
2006-06-04T13:03:33+09:00
2006-06-04T12:57:52+09:00
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身のまわりのこと
道を歩いていたら、どこからともなく一羽のインコが飛んできて僕の肩に止まった。びっくりしたけれど、面白いのでそのままにしていると首の周りをまとわりつきながら、ずっと僕についてくる。試しに右手を差し出せば、ぴょんと手の上に乗り移って、それがまたなんとも愛くるしい。
目が合ったので「どうしたんや」と声をかけた。でもインコは小首をかしげるばかり。とりあえず携帯のカメラで記念撮影をする。その後僕はどうしても建物の中に入らなくてはならなくて、ビルの入り口で立ちすくんだらインコはまたどこかに飛び立っていってしまったけれど、三宮のど真ん中でこんなことがあるなんて。不思議なこともあるものだなあとちょっと幸せな気持ちになった、晴れた日曜日の午後の出来事。
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一応
http://curiouscat.exblog.jp/3967485/
2006-05-30T03:40:02+09:00
2006-05-30T03:40:02+09:00
2006-05-30T03:40:02+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
休みは取れてはいるのだけど、「さて、更新しよう」と思うタイミングで、間が悪いことにまた忙しくなるということを繰り返している。来週くらいには落ち着くかなあ。
ちょっとネタも溜まってきたので、早く更新したいと思ってます。悪しからず。]]>
相変わらず
http://curiouscat.exblog.jp/3940858/
2006-05-23T02:08:00+09:00
2006-05-23T02:08:36+09:00
2006-05-23T02:04:49+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
しかも、この数日で手に入れた情報、かなり手応えありの予感。今までの経験から言って、絶対とびきりおいしいお店とみています。定食屋とホルモン串屋さん。それに洋食屋とカレー屋は自力でどうにかなりそうだし、順調な滑り出しだ。
やっと平和になってきたこの街の空気に歓迎しつつ、来週くらいからグルメ探訪の活動を本格化させるつもり。楽しみです。…ちょっとお腹減ってきた。
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オーバーヒート
http://curiouscat.exblog.jp/3890155/
2006-05-10T10:21:35+09:00
2006-05-10T10:21:35+09:00
2006-05-10T10:21:35+09:00
wanderingdays
記者という仕事
新しい担当になって仕事が10倍くらいに増えた。身も心もオーバーヒート気味…
余裕が生まれるまで、しばらく更新できないかもしれないなあ。]]>
地下酒場
http://curiouscat.exblog.jp/3879549/
2006-05-07T22:20:00+09:00
2006-05-08T00:35:49+09:00
2006-05-07T22:20:22+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
かねてから気になっていた「A地下バー」に、とうとう行って来た。
大学の校舎の地下スペースの一角でひっそりと(学生たちが勝手に)営業を続けているこのバー。店ができてから10年というから驚き。在学中は存在すら知らなかったなあ。
今回は愛すべき後輩の手塚太郎君に連れて行ってもらったのだけど、ロケーションの怪しさとは裏腹に中はいたってリラックスした雰囲気で、学生や元学生がゆるい時間を過ごしていた。カクテルも缶ビールも何もかもが200円。それでも一晩で1万円以上売り上げるというのだからすごい。だいたい、こういう存在が容認されてしまうようなワキの甘さというか、おおらかさが我が母校の良さだと思う。ある意味腹をくくったいい加減さを感じる。
A地下バーは曜日ごとにマスターが変わるのだけども、前日の当番だったマスターが客としてやってきて、「昨日、店で焼鳥をやったら校舎の上のほうにいる実験動物たちが匂いに反応して大変だった」などと言う。街のバーではあり得ないエピソードに思わず笑ってしまった。
変わった店といえば、僕がまだ学生だったころ、とんでもない居酒屋が一件、下宿先のそばにあった。Bというこの店は、もしかしたらもうなくなっているかもしれない。なにしろその当時でさえ、電気もガスも水道も止められていたのだから。看板が割れていて、空き家みたいだけど、入り口からうっすらとろうそくの明かりが見えたら営業中のしるし。怪しさ満点のこの店もまた、手塚太郎と一緒に探検しにいったのだ。
Bはおばあちゃんが一人でやっていて、「なにか適当に下さい」というと家から作って来たらしいおでんをタッパーから出し、カセットコンロで温めてくれた。なにしろガスが止められているからカセットコンロを使うしかない。そしてこれが意外にうまい。お酒は、焼酎をペットボトルに入った水で割って出してくれる。冷蔵庫は氷を詰めて使っていて、まるで昭和初期のよう。6人も座ったらいっぱいになるカウンターだけの薄暗い店だけど、インパクトは強烈だった。我ながらよく一見で入る勇気があったなと思う。
Bは、どうやら隣のTという居酒屋の店主から嫌がらせを受けていて(たぶん立ち退けということなんだろう)、午後9時になると向こう側から壁をどかどかと蹴られる。おばあちゃんは慣れたもので、壁が蹴られ始めると「もうそろそろ店仕舞いの時間やな」とぽつりとつぶやくのだ。最初、その光景を見たときには、おばあちゃんのあまりの動じなさに迫力すら感じてしまった。手塚くんが「どんな状況でも店を続けるってすごいですね」などと驚いたら、「…もう、意地でやってんねや」と答えが返って来たのが印象的だった。
あ、そういえば東大路通り沿いの地下にはMっていう不思議な店もあったっけ。店に入るとなぜか天井から無数のリンゴが糸で吊るされていて、その意味不明さに呆然とした思い出がある。文学部の飲み会でよく使う店だった。椅子の布とかは破れているのに、片隅に立派なピアノがあったりして店内は違和感だらけ。マスターがすぐ寝ちゃうので「マスター帰るよー」って起こして支払いをするのがまた一苦労だった。
飲み屋と呼ばれるところには無数に行って来たけれど、ぶっとび度で考えれば京都のお店にかなうところはなかなか見つからないかもしれない。こんどまた京都に行ったときには、A地下バー以外の二軒がまだあるかどうか是非確かめてみよう。
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文章について考えること
http://curiouscat.exblog.jp/3850965/
2006-04-30T17:58:00+09:00
2006-05-07T00:20:28+09:00
2006-04-30T17:58:52+09:00
wanderingdays
好きな本、最近読んだ本
今、沢木耕太郎の「危機の宰相」という本を読み終えたところです。池田勇人とそのブレーンたちに焦点を置いた政治ノンフィクション。沢木耕太郎には「テロルの決算」という有名な作品もありますが、それは未読なので、僕にとって彼の硬派のノンフィクションを読むのは初めての経験でした。今までは放浪小説の定番「深夜特急」や、スポーツノンフィクションの「一瞬の夏」、あるいは「バーボンストリート」などのエッセイしか読んだことがなかったのです。で、そんな読書経歴による先入観からか、今回は「どんなもんかいな」とやや挑戦的な半信半疑の姿勢でページをめくり始めたのですが、見事にこれが裏切られてしまいました。一級品です。良いですよ。
今さらなんだけども、この人、すごく文章がうまい。硬いテーマのはずなのに、とにかくやたら読みやすい。かといって内容が薄いというわけではなく、綿密な取材に基づいているのもわかります。でも不思議にすいすいとページが前に進むので、読書に疲労を感じません。仕立ての良いシャツを着ると、驚くほど肩口に重さを感じず、きめ細かい生地の気持ちよさだけを覚えるものですが、うまい文章の人の本を読むのも似たような感覚かもしれません。
文章を給料のタネにしている職業のはしくれとしては、この文章のうまさは一体どこからくるものなんだろうって、嫉妬まじりに考え込んでしまいます。柔らかいテーマの文章が読みやすいのは当たり前に思うけど、硬いテーマでも同じように読ませるというのは、本当に文章の実力があるって認めざるをえません。その秘密はどこにあるのか教えてほしい。ひとつひとつの文が短めで歯切れが良いし、余分なことをだらだら書かず本質をずばっと切り取っているからなのかな。
「職業は新聞記者です」って口にしたとき、業界以外の人はほぼみんな「文章がうまいんですね。うらやましい」といった反応をします。そして僕はたいがい「うーん、まあ文章を書くのは好きですけれど…」って言葉を濁します。なぜかと言えば、自分自身の経験として「うまく書けた」と思えたことはまれだし、そもそも身の回りにいる記者たちの中で「この人は文章がうまいな」って思える人に出会うことが少ないせいでもあります。実際のところ、僕は新聞記者ってそれほど文章がうまくないとすら感じています。
すごく変に思われるかもしれないけれども、新聞記者という仕事を考えたとき、それは当然の現象なのかもしれません。新聞記事は簡潔で明瞭であることは求められるものの、名文や美文と呼ばれるような文章が必要とされる場面はほとんどないのです。限られた紙面の中で、できるだけ多くの情報を伝えようとするから、文章のスパイス的な役割を果たす形容詞や接続詞は必要最小限になるし、時には主語までも省いてしまいます。それに他のニュースが飛び込んできて紙面が混雑してくると、記事は後ろの部分から機械的に削られていくため、どの記事も最初から必ず「大事なことは前に、付随情報は後に」という、いわゆる「逆三角形型」の文章構成になります。もちろん、連載記事や特集記事など「読み物」としての性格が強い記事はこういったルールにあまり縛られませんが、末端の若手/中堅記者がそういう記事を書く機会は年に10回もない。記者は簡潔で明瞭な文章なら毎日書いていますが、「うまい」「読ませる」文章となるとトレーニングの場がほとんどありません。
そうした技術不足の点は、ティピカルな表現やテクニックで補なわれます。例えば、台詞での書き出しや体言止めの多用。「声を震わせた」「笑顔が弾けた」などの定型表現。こうしたものに飾られた文章は、わかりやすいうえ、そこそこの色っぽさは出るけど、やっぱりどこかつまらない。まるで味の素ばっかり掛けた料理みたいだと僕は思います。まずくもないけど、感動もない。
いくら事情があるとはいえ、せっかくものを書く仕事をしているのに、単調で色気のない文章しか書けないというのは、ちょっと寂しいです。最近特に、「もっと文章がうまくなりたい」と強く思います。それにはきっと、いくら仕事が忙しくても、ジャンルを問わずどんどんいい本を読んで、がりがりとどん欲に様々な文章を書いていくしかないのでしょう。がんばろうっと。
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港町へ
http://curiouscat.exblog.jp/3834380/
2006-04-26T11:54:00+09:00
2006-04-26T11:56:00+09:00
2006-04-26T11:54:21+09:00
wanderingdays
記者という仕事
来月からちょっとした人事異動があって、勤務先の都市が変わることになった。
自宅からの距離は今よりも近くなるくらいなので引っ越しなどはしないけれど。
なんだかんだで、今年に入ってからは奇跡的ともいえるくらい平和が保たれている現在の持ち場とは逆に、新しい土地はすでに事件満載。引き継ぎのために電話した記者クラブでは、今度から相棒となる後輩が「…忙しいですよ。ふう…」と今にも倒れそうなため息をついていた。完全な休日は月に1日か2日くらいらしい。うーん、先が思いやられるなあ。
でも仕事はともあれ、今度の職場は思い出深く大好きな街。
夜景が最高にきれいな港町。
心機一転で、また頑張ろうっと。]]>
GW前の読書案内
http://curiouscat.exblog.jp/3803886/
2006-04-18T20:48:00+09:00
2006-04-23T22:35:24+09:00
2006-04-18T20:48:19+09:00
wanderingdays
好きな本、最近読んだ本
本の売り上げへの影響度では、今や直木賞と同じかそれ以上かも知れないくらいにメジャーになった「本屋大賞」。少し前に2006年度の受賞作がリリー・フランキーの「東京タワー」に決まった。昨年、あれだけ売れて話題にもなったのだから当然の受賞なのかも知れない。めったに本を読まない知り合いからも「あれは泣いた」なんて声がちらほら聞こえてきたから、僕みたいな乱読派だけじゃなくてきっとたくさんの人に読まれてきたし、これからもまた売れるに違いない。
ただ、あまり大きな声では言い出しにくいのだけども、僕個人の感想としては、いまいちというか「悪くないけども…」という感じだったんだよなあ。良質なエッセイではあると思う。でも「甘ったるさ」を突き抜けるような凄みまでは達していないんじゃないだろうか。
で、ほかのノミネート作品は何なのかなと思い本屋大賞のホームページをのぞいてみた。1位から11位までの作品の中で、僕が読んでいなかったのは7位の「告白」(町田康)と8位「ベルカ、ほえないのか?」(古川日出男)だけだった。我ながらミーハー読書家。こういうエンターテインメント系の小説群のカバー率は高いのである。
で、未読の2作品を除いたうえでおすすめを言えば、6位に入っている島本理生「ナラタージュ」を推したい。じれったいほど若くて、さわったら切れそうなくらいとんがっていて、今にも壊れそうなくらいに繊細な恋愛小説。男の弱さや情けなさもしっかり表現されていて、へえ、と感心した。男性の登場人物の描写がうまくて、男性読者を白けさせない技量を持つ女性作家は貴重だ。恋愛小説を「いいな」って思ったのは川上弘美の「センセイの鞄」以来だろうか。
島本理生は1983年生まれの大学生作家。若いけど、すごくまっとう。いつも単行本を買わない人でも、「いい映画を見に行くのだ」と思って試しに1400円出す価値はある。損はしない。
あと、本屋大賞とは別に最近読んだ小説で意外に良かったのは、劇団ひとりの小説デビュー作「陰日向に咲く」だ。正統派の群像劇。登場人物の設定は新鮮。物語の展開は意外性があってかつリズムもいい。何よりも全編を通して流れる、ほのかに温かい幸せな空気がとっても心地良い。正直、その筆力に驚いた。
劇団ひとりは、一人の新人作家として十分にトップクラスの期待を背負うべき人だと思う。
実は最近、映画や本で印象深い作品に立て続けに出会う幸運に恵まれている。
片っ端から書き留めているとますます仕事がほったらかしになるので、今日は軽くこんなところで…
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戦場の人
http://curiouscat.exblog.jp/3752629/
2006-04-06T00:42:00+09:00
2006-04-06T17:51:03+09:00
2006-04-06T00:42:06+09:00
wanderingdays
身のまわりのこと
酔っぱらった勢いで久しぶりに電話した、フリーカメラマンのWさん。
2年前にバグダッドで知り合った、凄く素敵な人だ。掛け値なしに、今、日本で三本指に入るであろう、実力と根性と良心を持ったカメラマン。
「来週からイラク入りをチャレンジしようと思います」と彼は話した。Wさんは、二つ年下の僕にも、決して敬語を崩さない驚くほど腰の低い人でもあるのだ。でも、その一方で、「世界のニュースソースの一端は、俺自身が握っているのだ」という強烈なプライドと自負を秘めている人でもある。そこが僕は大好きで、憧れるところでもある。
2年前、僕を含め、バグダッドの地を訪れたほぼすべてのジャーナリストが予感したとおり、今のイラクは混迷の極みにある。その中でも今のイラクを見つめに、改めて彼の地に帰れる立場にある人はほんの一握り。だからこそWさんには、今度の仕事をがんばってほしい。
たぶん、これから2−3週間の間に週刊誌か月刊誌かあるいは新聞の片隅に載るイラクの写真のキャプションで、「W」のイニシャルがあるとすれば、確実に彼だと思う。
もしも幸運にも、その写真に出会えるとしたら、「ああ、これが今のイラクの今なんだ」と思ってほしい。たとえそれが、あなたの今までの先入観から180度違ったものだとしても、おそらくその写真が真実。それくらいちゃんとしたジャーナリストです。彼は。
……でも、そんなすごい人で、しかも見た目だったとてもかっこいいのに、なぜかWさんは女性に縁がない。いつも「彼女がいない」としょんぼりしている。だから今度、会ったときには全力を尽くして美人を紹介して差し上げようっと。
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